タプル | Teck One Step!

タプルとは

タプル（tuple）は、リストと同様に複数の要素を格納するためのデータ型の一つである。しかし、リストとは異なり、タプルは変更不可能な（immutable）オブジェクトである。つまり、一度作成されたタプルはその内容を変更することができない。

タプルは、丸括弧 ( ) で囲んで表される。タプルの各要素は、カンマ（,）で区切られる。

# タプルの例
t = (1, 2, 3, 4, 5)

リストと同様に、インデックスを使ってタプルの要素にアクセスすることができる。

# タプルの要素にアクセスする例
t = (1, 2, 3, 4, 5)
print(t[0])  # 1が出力される
print(t[3])  # 4が出力される

タプルは、変更不可能なオブジェクトであるため、リストとは異なる利用方法がある。具体的には、次のような場合にタプルが利用される。

タプルは複数の値を一度に返すためによく利用される。例えば、関数から複数の値を一度に返す場合に、タプルを使って返すことができる。

# タプルを使って複数の値を一度に返す例
def calc(a, b):
    return a + b, a - b, a * b

result = calc(3, 2)
print(result)  # (5, 1, 6)が出力される

タプルは変更不可能なオブジェクトであるため、リストとは異なり、安全に使うことができる。例えば、辞書のキーとして利用することができる。

# タプルを辞書のキーとして利用する例
d = { (1, 2): "apple", (3, 4): "banana" }
print(d[(1, 2)])  # "apple"が出力される

複数のタプルを結合して新しいタプルを作ることができます。結合には + 演算子を使います。

tuple1 = (1, 2, 3)
tuple2 = ('a', 'b', 'c')
tuple3 = tuple1 + tuple2
print(tuple3)  # (1, 2, 3, 'a', 'b', 'c')

タプルを繰り返して新しいタプルを作ることができます。繰り返しには * 演算子を使います。

tuple1 = ('a', 'b')
tuple2 = tuple1 * 3
print(tuple2)  # ('a', 'b', 'a', 'b', 'a', 'b')

タプルの要素数を取得するには、len() 関数を使います。

tuple1 = ('a', 'b', 'c')
print(len(tuple1))  # 3

タプルにある要素を検索するには、in 演算子を使います。

tuple1 = ('a', 'b', 'c')
print('a' in tuple1)  # True
print('d' in tuple1)  # False

タプルの要素を個別の変数にアンパックすることができます。変数の数とタプルの要素数が一致している必要があります。

tuple1 = ('a', 'b', 'c')
x, y, z = tuple1
print(x)  # 'a'
print(y)  # 'b'
print(z)  # 'c'

アンパックする際には、要素の数が多い場合はエラーになります。

tuple1 = ('a', 'b', 'c')
x, y = tuple1  # エラー

タプルは要素の比較が可能です。比較は要素の順序から始まり、異なる要素が見つかった時点で結果が決まります。

tuple1 = (1, 2, 3)
tuple2 = (1, 2, 4)
print(tuple1 == tuple2)  # False
print(tuple1 < tuple2)   # True
print(tuple1 > tuple2)   # False